正直に言います。「AIにプレゼン資料やチラシを作らせる」って、もう僕の中では当たり前の作業になりました。
ただ、ここで気をつけたいのが「AIならどれでも同じ」じゃないってことです。同じ指示文を投げても、出てくるアウトプットはツールによってかなり違う。今回はそれを、実際に手を動かして確かめてみました。
結論から言うと——今回いちばん「そのまま使える」と思ったのはFableでした。ただ、これには僕なりの理由があるので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
まず、今回試した3つのAIについて
聞き慣れない名前も出てくると思うので、最初に軽く整理しておきます。
Claude Opus 4.8(オーパス) は、Anthropic社のClaudeシリーズの主力モデルです。僕がこのブログを書くのにも日常的に使っている、いわば相棒みたいな存在です。複雑な作業を任せられる、バランスの良いモデルですね。
Claude Fable 5(フェイブル) は、つい先日(2026年6月)公開されたばかりの新モデルです。Anthropicの「Mythos(ミトス)クラス」という、Opusのさらに上に位置づけられる新しい階層のAIで、ソフトウェア開発・知識労働・ビジョン(画像や図の理解)などで、これまで一般公開されたどのモデルより高い性能を出すとされています。特に注目したのがビジョン性能で、図やチャート、表を理解する能力が高いという点。今回のチラシ作成は、まさに「図解」が主役の仕事です。期待してしまうじゃないですか。
そして Codex(コーデックス) は、OpenAI側のコード生成・実行に強いツールです。こちらも資料作成に使えます。
今回は、この3つにまったく同じプロンプトを投げて、出てきたものを比べました。
投げたプロンプトはこれ
検証なので、指示文は3つとも一字一句同じにしました。
A4縦・1枚の展示会配布チラシを作成してください。
【商材】工場の屋根に設置する産業用ソーラーパネル(自家消費型)
【ターゲット】工場の現場責任者・工場長クラス
【目的】展示会ブースで手に取ってもらい、無料診断の問い合わせにつなげる
【最も伝えたいこと】電力会社から買うより電気代が安くなる
(※掲載要素・トーン・制約を細かく指定。図解を主役に、文字は少なく)
ポイントは、指示をかなり具体化していることです。僕がいつも言ってる「AIへの指示は具体化が9割」ってやつですね。掲載要素を優先度順に並べて、トーンも「青系で清潔感」、制約も「詰め込みすぎない」と明示しました。
ここまで具体的に指示すれば、どのAIも同じようなものを出してくるはず——と思うじゃないですか。違ったんです。
結果:3つとも、見事に「個性」が出た
① Opus 4.8 ——「デザインは弱いが、爆速のたたき台」
正直に言うと、Opusはデザイン力がそこまで強くないという印象でした。

いちばん気になったのが図解です。今回の肝である「工場の屋根→太陽光発電→自家消費」の流れ。これがほぼダメでした。屋根らしきものはあるんですが、何の図なのかパッと見で分からない。展示会で数秒勝負のチラシとしては、これだと厳しい。
ただ——フォローしておくと、3分くらいで出てきたんです。これは大きい。
ゼロから自分でレイアウトを考える時間と比べたら、「修正前提のたたき台」としては十分アリです。AIは魔法の箱じゃなくて、たたき台を爆速で出してくれるアシスタントのような存在——そう割り切れば、Opusの速さは普通に武器になります。
② Fable 5 ——「ほぼ修正なしで使えた」
そして本命のFable。これがやっぱり良かった。

率直に言って、Opusより明確に性能が上でした。出てきたチラシが、ほぼ修正なしでそのまま使えるレベル。図解もちゃんと「太陽光から自家消費への流れ」として成立していて、青系のトーンも指示どおり。文字量も抑えられていて、数秒で要点が伝わる。
公開直後のモデルだから半信半疑だったんですが、図やレイアウトを扱う仕事では、ビジョン性能の高さがそのままアウトプットに出た感じです。「最新モデルは伊達じゃない」を地で行く結果でした。
③ Codex ——「デザインは良いのに、ズレる」
Codexは惜しかったです。

デザインのセンス自体は良いんです。配色も構成も悪くない。でも、要素がズレる。特に矢印。図解の中で「→」がきれいに繋がらず、位置が微妙にずれてしまう。
チラシって、矢印1本のズレで一気に素人っぽく見えるんですよね。中身が良いだけに、この詰めの甘さがもったいなかった。
ここから何が言えるか
並べてみて、改めて思ったことがあります。
AIツールは「総合的な賢さ」じゃなくて「タスクとの相性」で選ぶべきだ、ということです。
これは前にも書いた話ですが、今回また裏付けが取れました。Opusは文章を書かせたら相棒として最高なんですが、図解レイアウトという仕事ではFableに軍配が上がった。Codexはデザインセンスはあるけど、精密な位置合わせで崩れた。
つまり、「いちばん新しいから」「いちばん有名だから」で選ぶんじゃなくて、目の前の仕事が何を要求しているかで選ぶ。今回は「図解が主役のチラシ」だったから、ビジョン性能の高いFableがハマった。それだけのことです。
そしてもう一つ。最後は人間が必ず目でチェックする。これは今回も変わりません。Fableが一番マシだったとはいえ、出てきたものを無検証で展示会に持っていくのは怖い。AIに作らせて、人間が仕上げる。この役割分担が、いまのところ一番外さないと思っています。
まとめ
- 同じプロンプトでも、AIによってアウトプットの質は明確に変わる
- Opus 4.8:デザインは弱め。でも3分で出る「爆速たたき台」として優秀
- Fable 5:図解レイアウトはほぼ修正不要。ビジョン性能が効いた本命
- Codex:デザインは良いが、矢印など要素のズレが惜しい
- ツールは「賢さ」より「タスクとの相性」で選ぶ
- どれを使っても、最後は人間の目で仕上げる
個人的には今回、Fableがいちばん手間がかからなくて良かったです。
ただ——これは「工場向けチラシ・図解主役」という、今回の条件での話です。文章中心の資料なら、また順位が変わるかもしれない。
みなさんは、こういう資料作成、どのAIを使ってますか。「うちはこのパターンでこっちが強かった」みたいな話があれば、ぜひコメントで教えてください。次の実験ネタにさせてもらいます。
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