AI議事録ツールは「機能」で選ぶな。営業マネージャーが比較して分かった選び方の正解

AI活用術

6月に入って、上期の中間レビューやら何やらで、会議の数がじわじわ増えてきました。会議が増えると比例して増えるのが、議事録の作成時間です。

以前、「議事録はもう手書きで取っていない」という記事を書きました。あの記事を読んだ知人から、「で、結局どのツールがいいの?」と聞かれることが何度かあったので、今回は腰を据えて主要なAI議事録ツールを比較してみます。

先に結論を言います。AI議事録ツールは、機能の一覧表で選んではいけません。「誰と、どんな会議をするか」で選ぶのが正解です。

結論:機能比較は、ほぼ無意味です

正直に言います。AI議事録ツールの比較記事を読み漁って、機能の○×表とにらめっこするのは、時間の無駄に近いです。

理由はシンプルで、文字起こし・話者識別・自動要約といった基本機能は、今やどのツールもほぼ対応しているからです。ある比較サイトには40を超える製品が掲載されていましたが、基本機能だけ見れば、正直どれを選んでも大差ありません。

じゃあ何で差がつくのか。自分の会議のタイプと、ツールの設計思想が合っているかです。

僕の整理では、会議は3つに分かれます。

  • 社内の定例会議——気軽に録れる。精度もそこそこでいい
  • 顧客との商談——録音の許可取りが必要。要約の質が問われる
  • 機密性の高い会議——役員会議や人事関連。外部クラウドに音声を上げること自体がリスク

この3つ、求められるツールがまったく違います。機能表を眺める前に、自分がどの会議の議事録に一番時間を取られているかを考える——これが出発点です。

「Zoomに付いてるAIで十分では?」という疑問

こう言うと、「最近はZoomやTeamsに最初からAIが付いてるから、専用ツールは要らないのでは?」と聞かれます。

半分正解で、半分間違いです。

オンライン会議が中心で、議事録も「ざっくり要点が残ればいい」レベルなら、会議ツール付属のAIでまったく問題ない。まずはそこから始めるべきだとすら思います。

ただ、営業の現場で働く僕の実感として、付属AIには明確な穴があります。対面の商談と、社内の「会議室での会議」をカバーできないことです。

BtoB営業の重要な話は、いまだに対面で動きます。訪問先の会議室、自社の応接室、ときには移動中の車内。ここを録って文字にできないと、議事録の自動化は「オンライン会議だけ楽になった」という中途半端な状態で止まります。

だから僕の答えはこうです。オンライン会議は付属AIで始めて、対面までカバーしたくなったら専用ツールに進む。いきなり高機能なツールを契約する必要はありません。

タイプ別に比較してみた(2026年6月時点)

ここから具体的に見ていきます。料金や仕様は2026年6月時点で僕が調べた内容なので、検討する際は必ず公式サイトで最新情報を確認してください。

①個人で始めるなら:Notta・tl;dv・AutoMemo

Notta(ノッタ)は、個人利用の定番です。無料プランは月120分まで使えますが、1回の文字起こしが3分までという制限があるので、実際の会議で使うなら有料プラン前提です。プレミアムプランは年払いだと月1,185円相当で、月1,800分(30時間)まで文字起こしできます。スマホアプリで対面の打ち合わせも録れるので、外回りの多い営業マンとの相性がいい。

tl;dv(ティーエルディーブイ)は、永久無料プランの太っ腹さが特徴です。オンライン会議の録画・文字起こしは無料で回数無制限。ただしAIによる会議メモは月10回程度までで、有料のPROプランは月29ドル——ドル建てなので為替の影響を受ける点は頭に入れておくべきです。ZoomやGoogle Meet中心の人なら、まず無料で試す価値があります。

AutoMemo(オートメモ)は月1,480円からで、専用のAIボイスレコーダーがあるのが面白いところ。対面会議が多く、「スマホを机に置いて録音するのは気が引ける」という人に向いています。

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対面の打ち合わせが多い方はこちらもどうぞ:
AutoMemo(オートメモ)公式サイトを見る

②チーム・部署で導入するなら:Rimo Voice・LINE WORKS AiNote

個人の課金で回す段階を超えて、部署として導入するなら法人向けツールです。

Rimo Voice(リモボイス)は日本語特化のAIエンジンを積んでいて、権限設定や監査ログといった管理機能が充実しています。料金は要問い合わせですが、「全社のナレッジとして議事録を蓄積したい」フェーズの会社に合います。

LINE WORKS AiNoteは月19,800円からで、話者分離の精度とセキュリティ機能が売りです。このクラスになると、月数万円のコストを「議事録作成にかかっている人件費」と比べて判断することになります。部下5人が毎週1時間ずつ議事録を書いているなら、計算するまでもなく元が取れます。

③機密会議が多いなら:オンプレ型という選択肢

役員会議や人事評価の面談など、音声を外部クラウドに上げること自体が許されない会議もあります。

そういう用途には、外部ネットワークを遮断した環境で動くオンプレミス型のSecureMemoや、PC内だけで完結するスタンドアロン型のScribeAssistといった選択肢があります。料金は要問い合わせのものが多く、明らかに大企業向けですが、「クラウドはNG」という制約がある組織には、これしか答えがありません。

それでも、最後は人間の目で必ずチェックする

3つのタイプを比較してきましたが、どのツールを選んでも変わらない鉄則がひとつあります。

AIが書いた議事録を、そのまま配信しないこと。

文字起こしの精度がどれだけ上がっても、AIは「この発言は社内政治的にマズい」「この数字は口頭ベースだから議事録に残すべきじゃない」といった判断はできません。固有名詞の誤変換も、商談相手の社名を間違えたら一発で信頼を失います。

AIは魔法の箱じゃなくて、爆速でドラフトを書いてくれる新人のような存在です。新人が書いた議事録を上司がチェックするのと同じで、最後は人間の目を通す——ここをサボると、時短のつもりが事故になります。

逆に言えば、チェックさえ前提にすれば、議事録作成の時間は本当に劇的に減ります。僕の場合、1時間の会議の議事録にかかる時間は、手書き時代の30分前後から、今は確認と修正の5〜10分程度になりました。

まとめ

  • AI議事録ツールの基本機能(文字起こし・話者識別・要約)はどれもほぼ横並び。機能表で選ばない
  • 選ぶ基準は「誰と、どんな会議をするか」——社内オンライン/対面商談/機密会議で答えが変わる
  • オンライン中心なら会議ツール付属のAIやtl;dvの無料プランから。対面が多いならNotta(月1,185円〜)やAutoMemo
  • 部署導入ならRimo VoiceやLINE WORKS AiNoteなどの法人向け。機密重視ならオンプレ型
  • どれを選んでも、配信前の人間チェックは絶対に省かない

ツールの性能差で悩む時代は、もう終わりつつあります。問われているのは、自分の会議を分類して、適材適所で道具を割り当てる側のスキルです。

まずは無料プランで1本、来週の定例会議を録ってみてください。「議事録を書く時間」が「議事録を確認する時間」に変わる感覚——一度味わうと、もう手書きには戻れません。

あわせてどうぞ:文字起こしした後の要約・清書には生成AIが活躍します。ChatGPTとClaudeの使い分けについて書いた記事もあります。

※本記事の料金・仕様は2026年6月時点の調査に基づきます。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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