毎年5月くらいになると、決算発表が出揃って、株式市場がザワつきます。
今年もちょうど今、配当の権利落ち後の値動きを眺めながらこの記事を書いています。
新NISAが始まって2年ちょっと経ちましたが、周りの営業マンと話していると「とりあえずオルカン積み立ててる」で止まっている人が、まだまだ多い。
それ自体は別に間違いじゃないんです。むしろ正解の一つ。
ただ、新NISAって2つの投資枠があって、それぞれ性格が全然違います。
僕は本業がBtoB営業のマネージャーで、投資の専門家じゃありません。ただ、新NISAが始まってから、自分なりに2つの枠の役割を分けて使ってるので、今日はその話をします。
正直に言います。これは僕のやり方であって、正解ではありません。でも、「営業の現場で部下と数字を回してる人間が、自分の金をどう動かしているか」のサンプルとしては、参考になるかもしれません。
新NISAには2種類の枠がある
まず制度の話を簡単に。
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。
- つみたて投資枠:年間120万円まで。金融庁が定めた基準を満たす投資信託・ETFのみ
- 成長投資枠:年間240万円まで。個別株、ETF、投資信託など幅広く投資できる
両方併用できて、合計で年間360万円まで投資可能。生涯の非課税枠は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)。
ここまでは、ググれば3秒で出てくる話です。
問題は、この2つの枠を「どう使い分けるか」で、運用の中身がまったく変わってくる、ということ。
僕の使い分け:成長投資枠は「攻め」、つみたて枠は「貯金代わり」
結論はシンプルです。
- 成長投資枠 → 日本の個別株(配当金目当て)
- つみたて投資枠 → オールカントリー(日本除く)
それぞれ、目的がまったく違います。
成長投資枠は「配当金を非課税で受け取るための器」として使っています。攻めの枠です。
つみたて投資枠は「銀行預金の代わり」。ただただ淡々と積み立てて、見ないようにしている枠です。
この2つを分けてるのには、ちゃんと理由があります。
なぜ成長投資枠で「個別株」なのか
配当金が欲しいからです。
日本の個別株を選ぶときに僕が見ているのは、基本的には配当利回りと配当の継続性です。値上がり益(キャピタルゲイン)はオマケで、メインは配当金(インカムゲイン)。
これ、営業の発想とすごく似てるんですよね。
新規開拓で一発当てる売上より、継続して入ってくる既存顧客の売上のほうが、事業としては安定する。投資も同じで、株価の上下で勝負するより、定期的に入ってくるキャッシュを取りに行ったほうが、僕の性格に合ってる。
配当金には通常約20%の税金がかかるんですが、新NISAの口座で買えばこれが非課税になります。
例えば、年間の配当金が10万円だとすると、通常なら約2万円が税金で持っていかれる。それがゼロになる。これは大きい。
「成長投資枠」って名前ですが、僕は「配当受け取り枠」として使っているのが実態です。
なぜつみたて枠で「オルカン(日本除く)」なのか
ここが今日の記事で一番伝えたいポイントです。
オールカントリーって、本来は「全世界の株式」に分散投資する商品です。普通のオルカン(全世界株式)は、日本も含まれている。割合は数%ですが、日本株も入っています。
僕がつみたて枠で買っているのは、「オールカントリー(日本除く)」のほうです。
理由は単純で、成長投資枠で日本の個別株を買ってるから。
普通のオルカンを買うと、つみたて枠で買った投資信託の中にも日本株が入っていて、自分のポートフォリオ全体で日本株の比率が二重になるんですよ。
成長投資枠で個別株を10銘柄持ってて、つみたて枠のオルカンにも日本株が入っていたら、日本株の偏りが大きくなりすぎる。
だから、つみたて枠は「日本を除いた全世界」を買って、日本部分は個別株で自分で選ぶ。
これ、ポートフォリオを組むときに「ダブり」を排除するっていう、地味だけど大事な発想です。
営業で言うと、「同じ顧客層に対して、複数の商材で同じ提案を被せない」みたいな話。リソースが分散しているように見えて、実は同じものに二重投資している状態を避ける。
オルカン(日本除く)は「貯金代わり」のポジション
つみたて枠の役割は、僕の中ではほぼ貯金です。
毎月、決まった額を自動で積み立てる。値動きはほぼ見ない。下がっても買い続ける。
なぜ「貯金代わり」と割り切れるかというと、長期で見れば全世界株式は基本的に右肩上がりだから(過去の実績ベースの話で、未来は保証されません。投資は自己責任です)。
短期的には暴落することもあります。実際、僕も過去にコロナショックで個別株で大損した経験があります。あれは本当にきつかった。
でも、つみたて投資枠で淡々と積み立てている分は、暴落時こそ安く買えるチャンスになる。下がっているときに買い続けられるかどうかが、長期投資の本当の勝負どころです。
これも営業に似てるなと思います。
数字が悪いときほど、いつもどおりのことを淡々とやり続けられる人が、結局生き残る。派手な勝ち方を狙う人より、地味に積み上げる人のほうが、最後は強い。
個別株の調査にはAIをフル活用している
成長投資枠で買う個別株は、もちろん自分で調べます。でも、最初のスクリーニングや業績の読み解きには、AIをガッツリ使っています。
具体的にやってるのは、こんな感じです。
1. 決算短信の読み込み
決算短信って、慣れてない人が読むと地獄なんですよね。専門用語だらけで、何が大事なのか分からない。
僕はPDFをAIに突っ込んで、「この決算の重要なポイントを、配当継続性と業績トレンドの観点から3点に絞って」と指示を出します。
すると、人間が30分かかる読み解きが、5分で終わります。
もちろん、最後は自分で原文を確認します。AIが拾い損ねた数字や、ニュアンスが違う部分も必ずある。最後は人間の目で必ずチェックする——これは鉄則です。
2. 競合比較
「この会社と、同業の◯◯と△△を、配当利回り・配当性向・業績の安定性で比較して」と指示すると、表形式でまとめてくれます。
自分で3社分の有価証券報告書を見比べる労力を考えると、桁違いに早い。
3. 不安な点を壁打ちする
「この銘柄を買おうか迷ってるけど、見落としてるリスクはないか?」とAIに聞きます。
人間に相談するのと違って、AIは僕を気遣ったりしない。だから、ストレートに「為替リスクが見えていない」「業界全体の構造変化を考慮していない」みたいなことを返してくる。
これは営業の商談前の壁打ちにも使ってる手法と同じで、「自分の判断のアラを見つけるためのツール」として、AIは優秀です。
それでも、最後の判断は人間がする
ここを間違えると、痛い目に遭います。
AIは便利ですが、未来は予測できません。決算を読み解いたり、過去のデータから傾向を出したりはできても、「来年この株が上がる」かどうかは、AIにも分からない。
僕がAIに任せているのは、あくまで情報収集と整理までです。
買う・買わない、いくら買う、いつ売る——この判断は、必ず自分でやる。
これも営業と同じです。AIが商談の議事録を作ってくれても、AIが顧客分析をしてくれても、「次にこの顧客にどう動くか」を決めるのは僕自身。
道具を使う側のスキルが問われる、というのは、投資でもAIでも、変わらない真理だと思っています。
まとめ
新NISAの2つの枠は、それぞれ役割が違います。僕の使い方を整理すると——
- 成長投資枠:日本の個別株。配当金を非課税で受け取るための「攻め」の枠
- つみたて投資枠:オルカン(日本除く)。淡々と積み立てる「貯金代わり」の枠
- 日本除くを選ぶ理由:成長投資枠の個別株とダブらせないため
- 個別株の調査はAIを活用:決算読み込み、競合比較、リスクの壁打ちまで
- 最後の判断は必ず自分で:AIは判断材料を出すツールであって、判断するのは人間
正直に言うと、これが正解とは思っていません。人によって、リスク許容度も、ライフプランも、性格も違います。
ただ、「とりあえずオルカン」で止まっている営業マンの皆さんへ。一度、自分のポートフォリオの中身を眺めて、「ダブってないか?」「目的別に枠を使い分けてるか?」を考えてみてほしいです。
投資は自己責任。これは絶対に変わりません。
でも、自分の頭でちゃんと考えて運用している人と、思考停止で積み立ててるだけの人とでは、5年後の景色がまったく違うはずです。
選択肢を増やすことが、生存率を上げる——本業でも、投資でも、同じだと僕は思っています。
あわせて読みたい
- 日経6万円時代に営業マンが買うべきガジェット——AIに本気で相談してみた
情報収集と取引の環境を整えるための、AIが推した装備リスト。 - コロナショックで大損した僕が、人生で初めて「ショート」を入れて救われた話
下落相場での戦い方を、上がってる今こそ学んでおきたい人へ。
※投資は自己責任で。本記事は特定の銘柄・投資信託・取引手法を推奨するものではありません。


